通信№58 セミナー報告

2017年度ねんど第1かいめ自立じりつセミナー

「いのちに〇×をつけるの?」

相模原(さがみはら)事件(じけん)優生(ゆうせい)思想(しそう)(かんが)える~

2017年度(ねんど)1回目(かいめ)自立(じりつ)セミナーは、2017(ねん)10(がつ)6(にち)に「いのちに〇×をつけるの?」

相模原(さがみはら)事件(じけん)優生(ゆうせい)思想(しそう)(かんが)える~を開催(かいさい)しました。

講師(こうし)には、DPI(でぃーぴーあい)日本(にほん)会議(かいぎ) 副議長(ふくぎちょう)尾上(おのうえ)浩二(こうじ)さんとNPO(えぬぴーおー)法人(ほうじん)自立(じりつ)生活(せいかつ)センター・おおさかひがし代表(だいひょう)筒井(つつい)純子(じゅんこ)さんをお(まね)きし講演(こうえん)をお(ねが)いしました。

尾上(おのうえ)浩二(こうじ)さんの(はなし)

相模原(さがみはら)障害者(しょうがいしゃ)事件(じけん)優生(ゆうせい)思想(しそう)をテーマに(はなし)(すす)めていきたいと(おも)います。

今回(こんかい)のテーマは、資料(しりょう)()んで(おぼ)えて(かえ)ればいいものではない、ひとり一人(ひとり)自分(じぶん)(あたま)(かんが)えるという(こと)大切(たいせつ)である。そして、(かんが)(つづ)ける(こと)発信(はっしん)(つづ)けることが大事(だいじ)である。

平成(へいせい)28(ねん)7(がつ)26(にち)()もなく、1(ねん)3ヶ月(かげつ)経過(けいか)するが、いまだに、その衝撃(しょうげき)やキズは、()えないでいる。(みな)さんは、この事件(じけん)をどのように()()めたか一緒(いっしょ)(かんが)えていきたいと(おも)います。

 事件(じけん)直後(ちょくご)から、携帯(けいたい)電話(でんわ)やメールが()(ひび)いてくる。ひとつはDPI(でぃーぴーあい)として声明(せいめい)()げないのかと、もうひとつは事務所(じむしょ)からである。

 共同(きょうどう)通信(つうしん)から、事件(じけん)について記事(きじ)()いてくれと()われ、「()もだえするような恐怖(きょうふ)」という(だい)でペンを(はし)らせた。

逮捕(たいほ)され()調(しら)べでは、警察(けいさつ)(たい)して、容疑者(ようぎしゃ)は「障害者(しょうがいしゃ)は、不幸(ふこう)しか(つく)らないから障害者(しょうがいしゃ)なんていなくなればいい」と()っている。その(とし)の2(がつ)には、衆議院(しゅうぎいん)議長宛(ぎちょうあ)てに「(わたし)障害者(しょうがいしゃ)抹殺(まっさつ)することが出来(でき)る」との文章(ぶんしょう)(はじ)まる手紙(てがみ)()いていたと報道(ほうどう)された。

この事件(じけん)根底(こんてい)には、サブタイトルでもある、優生(ゆうせい)思想(しそう)ということがある。

容疑者(ようぎしゃ)は、部屋(へや)(たず)(ある)返事(へんじ)がない(ところ)から、(ころ)していった。(わたし)は、(おさな)いころ、肢体(したい)不自由(ふじゆう)()施設(しせつ)入所(にゅうしょ)していて、もし(わたし)(ねら)われたら、ベッドに(しば)られた状態(じょうたい)なので()されていた。身体(しんたい)拘束(こうそく)のある施設(しせつ)は、閉鎖性(へいさせい)があるので(なに)かあった(とき)()げられない。施設(しせつ)密室性(みっしつせい)閉鎖性(へいさせい)がオーバーラップした。それが、「()もだえするような恐怖(きょうふ)」である。手紙(てがみ)は、引用(いんよう)するのも躊躇(ちゅうちょ)する内容(ないよう)だが、「(わたし)目標(もくひょう)は、重複(じゅうふく)障害者(しょうがいしゃ)(かた)安楽死(あんらくし)出来(でき)世界(せかい)です。」と()かれている。さらに「戦争(せんそう)未来(みらい)ある人間(にんげん)(ころ)されるのはとても(かな)しく、(おお)くの(にく)しみを()()すが、障害者(しょうがいしゃ)(ころ)すことは不幸(ふこう)最大(さいだい)まで(おさ)えることが出来(でき)ます」とあり、障害(しょうがい)()()しで生命(せいめい)選択(せんたく)し、障害者(しょうがいしゃ)(ころ)されて当然(とうぜん)とする(かんが)えに()っていることが()かる。こうした(かんが)えを、優生(ゆうせい)思想(しそう)というが、この事件(じけん)はまさに優生(ゆうせい)思想(しそう)である。そういったことから、共同(きょうどう)通信(つうしん)から、優生(ゆうせい)思想(しそう)批判(ひはん)をちゃんと()いてほしいと要望(ようぼう)があった。でないと容疑者(ようぎしゃ)真似(まね)便乗(びんじょう)した(かんが)えの(ひと)たちが()てくる。

 (わたし)は、18(さい)から障害者(しょうがいしゃ)運動(うんどう)参加(さんか)しているが、来年(らいねん)(やく)40(ねん)障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)から差別(さべつ)解消法(かいしょうほう)まで(すこ)しは(まえ)()いたかなと思う(おも )が、社会(しゃかい)から()れば障害者(しょうがいしゃ)がいくらがんばっても一緒(いっしょ)だと。ショックである。

 ある(とき)知的(ちてき)障害(しょうがい)知人(ちじん)からメールがあり「尾上(おのうえ)さん、(こころ)(こわ)れそう」というメールが(とど)いた(とき)は、(かな)しくて(なみだ)()た。

もしくは、障害者(しょうがいしゃ)運動(うんどう)をされている(かた)は、ニュース番組(ばんぐみ)()れなかった。あるいは車椅子(くるまいす)利用者(りようしゃ)は、満員(まんいん)電車(でんしゃ)で「すいません」と(みち)()けてもらう(こと)出来(でき)なかった。事件(じけん)のあと電車(でんしゃ)()るのが(こわ)くなった。もちろん、最大(さいだい)被害者(ひがいしゃ)は、(ころ)された19(めい)(かた)やケガを()わされた27(めい)方々(かたがた)ですが、当事者(とうじしゃ)(ふく)関係者(かんけいしゃ)(かた)に、(ふか)(きず)()わせた事件(じけん)である。

事件(じけん)概要(がいよう)

 2016(ねん)7(がつ)26(にち)2()(ごろ)県立(けんりつ)指定(してい)管理(かんり)施設(しせつ)である障害者(しょうがいしゃ)支援(しえん)施設(しせつ)津久井(つくい)やまゆり(えん)」に、刃物(はもの)()った容疑者(ようぎしゃ)当時(とうじ)26(さい))が侵入(しんにゅう)し、入所者(にゅうしょしゃ)43(めい)職員(しょくいん)3(めい)()されるなどして19(めい)男性(だんせい)9(めい)女性(じょせい)10(めい))が死亡(しぼう)、27(めい)男性(だんせい)22(めい)女性(じょせい)5(めい))が負傷(ふしょう)した。当日(とうじつ)(えん)には、入所者(にゅうしょしゃ)157(めい)男性(だんせい)99(めい)女性(じょせい)58(めい))が在園(ざいえん)していた。容疑者(ようぎしゃ)は、犯行後(はんこうご)津久井(つくい)警察(けいさつ)(しょ)出頭(しゅっとう)し、犯行(はんこう)(みと)めたことから、建造物(けんぞうぶつ)侵入(しんにゅう)(およ)殺人(さつじん)未遂(みすい)緊急(きんきゅう)逮捕(たいほ)翌日(よくじつ)罪名(ざいめい)殺人(さつじん)()()え、横浜(よこはま)地方(ちほう)検察庁(けんさつちょう)送致(そうち))された。容疑者(ようぎしゃ)は、(えん)元職員(もとしょくいん)であり、2012(ねん)12(がつ)1(にち)から2013(ねん)1(がつ)31(にち)まで非常勤(ひじょうきん)職員(しょくいん)(よく)2(がつ)1(にち)からは臨時的(りんじてき)任用(にんよう)職員(しょくいん)、2013(ねん)4(がつ)1(にち)より2016(ねん)2(がつ)19(にち)まで常勤(じょうきん)職員(しょくいん)として勤務(きんむ)していた。

事件(じけん)背景(はいけい)にある優生(ゆうせい)思想(しそう)

 容疑者(ようぎしゃ)が、2016(ねん)2(がつ)衆議院(しゅうぎいん)議長宛(ぎちょうあて)()した手紙(てがみ)は、「(わたし)障害者(しょうがいしゃ)総勢(そうぜい)470(めい)抹殺(まっさつ)することが出来(でき)ます」との()()しで(はじ)まる。「保護者(ほごしゃ)(つか)()った表情(ひょうじょう)施設(しせつ)(はたら)いている職員(しょくいん)生気(せいき)のかけた(ひとみ)・・」「障害者(しょうがいしゃ)人間(にんげん)としてではなく、動物(どうぶつ)として生活(せいかつ)()ごしており・・、(くるま)いすに一生(いっしょう)(しば)られている()(どく)利用者(りようしゃ)(おお)(そん)(ざい)し、保護者(ほごしゃ)絶縁(ぜつえん)状態(じょうたい)にあることも(めずら)くありません。(わたし)目標(もくひょう)重複(ちょうふく)障害者(しょうがいしゃ)(かた)が・・保護者(ほごしゃ)同意(どうい)()安楽死(あんらくし)出来(でき)世界(せかい)です。」と()かれている。「日本(にっぽん)(こく)世界(せかい)のため」、障害者(しょうがいしゃ)抹殺(まっさつ)必要性(ひつようせい)()き、議長(ぎちょう)首相(しゅしょう)理解(りかい)(もと)める。

 手紙(てがみ)はさらに、「作戦(さくせん)内容(ないよう)」として「重複(ちょうふく)障害者(しょうがいしゃ)(おお)在籍(ざいせき)しているふたつの(えん)標的(ひょうてき)とする」と、津久井(つくい)やまゆり(えん)ともうひとつの施設名(しせつめい)名指(なざ)しした(うえ)職員(しょくいん)(すく)ない夜勤(やきん)決行(けっこう)」「見守(みまも)職員(しょくいん)結束(けっそく)バントで()(うご)き、外部(がいぶ)との連絡(れんらく)をとれなくします」(など)記載(きさい)されており、ほぼその内容(ないよう)(したが)って実行(じっこう)(いた)ったことが(うかが)える。

 上記(じょうき)こそが、優生(ゆうせい)思想(しそう)(もと)づく行為(こうい)(ほか)ならず、(わたし)たちDPI(でぃーぴーあい)日本(にほん)会議(かいぎ)はここに(つよ)(いか)りと(ふか)(かな)しみを()めて断固(だんこ)として優生(ゆうせい)思想(しそう)(たたか)っていくことを(あらた)めて(ちか)う。

 一人(ひとり)記者(きしゃ)が、「DPI(でぃーぴーあい)とは、どのような団体(だんたい)なのか。障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)熱心(ねっしん)()()んでこられたと()いていますが、その立場(たちば)からコメントをお(ねが)いします」と。また、「知的(ちてき)障害者(しょうがいしゃ)人権(じんけん)精神(せいしん)障害者(しょうがいしゃ)人権(じんけん)両立(りょうりつ)させることは(むずか)しいのでは?」と言う(い )(わたし)は、「(みずか)らが希望(きぼう)して施設(しせつ)入所(にゅうしょ)して平穏(へいおん)()ごしていたのか。あなたが勝手(かって)()めつけないで(くだ)さい。」と()った。今回(こんかい)事件(じけん)は、精神(せいしん)障害(しょうがい)との因果(いんが)関係(かんけい)(あき)らかにはなっていない。(あき)らかに()かっているのは、優生(ゆうせい)思想根幹(こんかん)にあり、それを(ゆる)すような措置(そち)があるということ。

事件後(じけんご)まもなく厚生(こうせい)大臣(だいじん)措置(そち)入院(にゅういん)制度(せいど)のあり(かた)見直(みなお)発表(はっぴょう)()した。

 (かり)に、(かれ)(かよ)っていた保育所(ほいくじょ)小学校(しょうがっこう)犯行(はんこう)計画(けいかく)警察(けいさつ)政府(せいふ)にだして数百名(すうひゃくめい)(いのち)(うば)ったら、警察(けいさつ)政府(せいふ)はなにをしていたと袋叩(ふくろだた)きにあうだろう。なぜ警察(けいさつ)責任(せきにん)不問(ふもん)にされているのだろう。警察(けいさつ)は、論点(ろんてん)をすり()えることで、措置(そち)入院(にゅういん)問題(もんだい)にしたのではと(おも)う。この問題(もんだい)は、措置(そち)入院(にゅういん)()(ぐち)問題(もんだい)ではないのかと()われている。

これから、優生(ゆうせい)思想(しそう)について(はな)していきたいと(おも)います。

(かれ)は、障害者(しょうがいしゃ)とどんな出会(であ)(かた)をしたのか?学校(がっこう)では、入所(にゅうしょ)施設(しせつ)ではどうであったか?

しかし、(いま)だに障害者(しょうがいしゃ)冒涜(ぼうとく)する発言(はつげん)をしている。

 優生(ゆうせい)思想(しそう)(ひろ)()()れてきた社会(しゃかい)・・・(けっ)して「ナチス時代(じだい)過去(かこ)出来事(できごと)」ではない、1996(ねん)まで(つづ)いた優生(ゆうせい)保護法(ほごほう)、16000(けん)以上(いじょう)被害者(ひがいしゃ)強制(きょうせい)不妊(ふにん)手術(しゅじゅつ))に謝罪(しゃざい)補償(ほしょう)()し。中絶(ちゅうぜつ)()れると、80000(けん)(のぼ)る。「障害児(しょうがいじ)()らせばいい」「いつまでタラタラ()きているのか」といった政治家(せいじか)(とう)による暴言(ぼうげん)。「尊厳死(そんげんし)法案(ほうあん)新型(しんがた)出生(しゅっせい)(まえ)診断(しんだん)・・・

 優生(ゆうせい)保護法(ほごほう)は1996(ねん)(はい)()された。障害児(しょうがいじ)(ごろ)しなどの、肯定(こうてい)する(かんが)(かた)との(たたか)いからだった。岡山県(おかやまけん)(りょう)()施設(しせつ)で「子宮(しきゅう)摘出(てきしゅつ)により情緒(じょうちょ)介護(かいご)安定(あんてい)」とのレポート。好事例(こうじれい)として()げられた。これに(かん)しては、謝罪(しゃざい)した。2004(ねん)神戸(こうべ)在住(ざいじゅう)女性(じょせい)妊娠(にんしん)をしたが医者(いしゃ)からの言葉(ことば)は、「中絶(ちゅうぜつ)しますか?」これは、社会(しゃかい)常識(じょうしき)医者(いしゃ)常識(じょうしき)である。

 被害者(ひがいしゃ)匿名(とくめい)報道(ほうどう)、19(めい)障害者(しょうがいしゃ)(こと)は、(なに)ひとつわからないまま、うやむやになっている。障害者(しょうがいしゃ)(かく)して生活(せいかつ)する、地域(ちいき)社会(しゃかい)とはなんだろう。

 神奈川県(かながわけん)対応(たいおう)は、事件(じけん)のあった場所(ばしょ)に160(めい)入所(にゅうしょ)施設(しせつ)()()えるという、「家族(かぞく)意向(いこう)()いたから、本人(ほんにん)意向(いこう)()かなくていい」何十年前(なんじゅうねんまえ)(はなし)をしているのか傲慢(ごうまん)(かんが)(かた)だ。優生(ゆうせい)思想(しそう)克服(こくふく)()けた()()みとして重要(じゅうよう)(ゆう)生保(せいほ)護法(ごほう)被害者(ひがいしゃ)への謝罪(しゃざい)補償(ほしょう)施設(しせつ)からの完全(かんぜん)地域(ちいき)移行(いこう)計画(けいかく)地域(ちいき)生活(せいかつ)支援(しえん)飛躍的(ひやくてき)拡充(かくじゅう)を。(だれ)()(のこ)されない社会(しゃかい)を。わけ(へだ)てることのないインクルーシブ教育(きょういく)推進(すいしん)を。最大(さいだい)の「再発(さいはつ)防止(ぼうし)」は、地域(ちいき)()らしている姿(すがた)具体的(ぐたいてき)(しめ)していく(こと)である。

筒井(つつい)純子(じゅんこ)さんのお(はなし)

 事件(じけん)から、一週間(いっしゅうかん)ほど経過(けいか)したころ、自転車(じてんしゃ)()った30(だい)とみられる男性(だんせい)から不意(ふい)道端(みちばた)で「あんたは、大丈夫(だいじょうぶ)やな」と()われ、「(ある)けてるし、帽子(ぼうし)似合(にあ)ってるし、大丈夫(だいじょうぶ)やな・・・」一体(いったい)何事(なにごと)かと(おも)った。よくよく(かんが)えると、相模原(さがみはら)障害者(しょうがいしゃ)殺傷(さっしょう)事件(じけん)(こと)だと(おも)った。そういう(ところ)で、(いのち)選別(せんべつ)をしている。背筋(せすじ)(こお)(おも)いでした。

(はなし)のほとんどを尾上(おのうえ)さんにして(いただ)いたので、(わたし)は「(わす)れてほしゅうない」を上映(じょうえい)させていただきます。

(わす)れてほしゅうない」について

 佐々木(ささき)千津子(ちづこ)さん(3年前(ねんまえ)()くなられた)は広島(ひろしま)()女性(じょせい)()まれてすぐに脳性(のうせい)まひになり、30数年前(すうねんまえ)に、施設(しせつ)入所(にゅうしょ)する(さい)、「生理(せいり)始末(しまつ)大変(たいへん)だ」という理由(りゆう)で、(なん)説明(せつめい)もなくコバルト60による放射(ほうしゃ)(せん)照射(しょうしゃ)()けるように()われ、強制(きょうせい)不妊(ふにん)手術(しゅじゅつ)をされた。20年前(ねんまえ)施設(しせつ)()て、全介助(ぜんかいじょ)()けながら(ねこ)一緒(いっしょ)自立(じりつ)生活(せいかつ)(おく)っていたが、ずっと後遺症(こういしょう)(くる)しんできた佐々木(ささき)さんは、自分(じぶん)(おお)くの(ひと)たちの(いた)みや(つら)さを「(わす)れてほしゅうない」と(かた)り、同名(どうめい)DVD(でぃーぶいでぃー)(つく)られた。

 それを()(ひと)も、これから()(ひと)も、()らなかった(ひと)にも、すべての(ひと)問題(もんだい)としてぜひ一緒(いっしょ)(かんが)えてもらいたいです。

自立(じりつ)生活(せいかつ)運動(うんどう)視点(してん)という資料(しりょう)ですが、これはごく一部(いちぶ)であり、本当(ほんとう)に、氷山(ひょうざん)一角(いっかく)です。

1970(ねん)5(がつ)に、横浜市(よこはまし)2()(たり)重症(じゅうしょう)障害児(しょうがいじ)をもつ母親(ははおや)が2(さい)になる(した)()絞殺(こうさつ)した。これに(たい)して減刑(げんけい)嘆願(たんがん)運動(うんどう)()きる。1970(ねん)7(がつ)この事件(じけん)(たい)し「(あお)(しば)(かい)神奈川(かながわ)県連(けんれん)厳正(げんせい)裁判(さいばん)要求(ようきゅう)意見書(いけんしょ)提出(ていしゅつ)、1971(ねん)10(がつ)8(にち)判決(はんけつ)懲役(ちょうえき)2(ねん)執行(しっこう)猶予(ゆうよ)3(ねん)判決(はんけつ)(かる)いものでしたが、「障害者(しょうがいしゃ)(ころ)されても仕方(しかた)のない存在(そんざい)なのか?」と問題(もんだい)提起(ていき)(おこな)い、社会的(しゃかいてき)(おお)きな意味(いみ)をもたらしました。

 また、1974(ねん)12(がつ)兵庫県(ひょうごけん)知事(ちじ)が「不幸(ふこう)()どもの()まれない運動(うんどう)」のPR番組(ばんぐみ)製作(せいさく)。それに(たい)して抗議(こうぎ)行動(こうどう)阻止(そし)。「不幸(ふこう)()ども」とは、だれが()めるのか?障害児(しょうがいじ)()まれる(まえ)から、不幸(ふこう)になると()めつけ、()まれることも(ゆる)されないのです。(さち)不幸(ふこう)かは個人(こじん)価値観(かちかん)問題(もんだい)であり、(だれ)にも()められないものです。この「不幸(ふこう)()どもの()まれない運動(うんどう)」は、傲慢(ごうまん)優生(ゆうせい)思想(しそう)だと(おも)います。

 (つぎ)出生前(しゅっしょうまえ)診断(しんだん)についてですが、日本(にほん)現在(げんざい)(おこな)われている出生前(しゅっしょうまえ)診断(しんだん)には、エコー(えこー)検査(けんさ)羊水(ようすい)検査(けんさ)(じゅう)(もう)検査(けんさ)臍帯(さいたい)(けつ)検査(けんさ)母体(ぼたい)血清(けっせい)マーカー検査(けんさ)があります。母体(ぼたい)への(なん)らかのリスクを(ともな)い、あくまでも割合(わりあい)で、(なん)パーセントの確率(かくりつ)障害児(しょうがいじ)()まれるかどうかということです。(いま)現在(げんざい)は、ダウン(しょう)(かん)してほぼわかる検査(けんさ)もあると()きます。障害児(しょうがいじ)であれば、なんとか中絶(ちゅうぜつ)させる方向(ほうこう)にもっていく日本(にほん)医療(いりょう)のありかたがあります。確率的(かくりつてき)障害児(しょうがいじ)だとわかれば、カウンセリングもありますが、障害者(しょうがいしゃ)(おこな)うカウンセリングはありません。カウンセリングのあり(かた)()われています。

10(ねん)以上前(いじょうまえ)から、大阪女(おおさかじょ)学院(がくいん)人権(じんけん)教育(きょういく)講座(こうざ)をしています。その(なか)に、障害者(しょうがいしゃ)分科会(ぶんかかい)があり、2日間(にちかん)(はなし)をする機会(きかい)があります。優生(ゆうせい)思想(しそう)出生前(しゅっしょうまえ)診断(しんだん)をお(はな)しさせて(いただ)きます。

 (はなし)をする(まえ)に、自分(じぶん)妊娠(にんしん)をして、その子供(こども)障害児(しょうがいじ)になる可能性(かのうせい)があるとしたら、あなたは()みますか?と()くと、9(わり)(かた)が「(わたし)()みません」と(こた)える。どうやって(そだ)てたらいいか(わか)らないので、可哀(かわう)そうだから()まないと。

 2(ふつ)日間(かかん)(はなし)をさせて(いただ)き、(おな)質問(しつもん)()げかけたら、6(わり)(かた)が「やっぱり()みます」と(こた)えてくれます。なぜ(かんが)(かた)()わったのか、それは「障害者(しょうがいしゃ)自身(じしん)(かた)るから」だと(おも)います。みなさんと(おな)じですよと、(おな)空間(くうかん)にいますよと(かた)(つづ)けることが大事(だいじ)です。

 当事者(とうじしゃ)(うった)えていく(こと)大事(だいじ)なのです。

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